ダメ太郎スマイル、深海日記

クワインを読むんだ

どうでもいいから本を読め

メタルギアソリッドV ザファントムペインのメインミッションでの「世界を売った男の真実」では、冒頭でニーチェのことばがひかれている。事実なんてものはなくて解釈だけよ的なサムシングだったと思う。ライデンを模したスーツを獲得するためには、このミッションをSでクリアする必要があったから、最近、またこれを見た。もちろん、この文言を文字通り受け入れることはしないが、ニーチェにとっての問題状況がそっくりそのまま存立していて、わたしたちもそれを発見できるとは考えにくい。真意を確かめるためには、ニーチェのように考えるのではなく、ニーチェの本を読む必要がある。読まないけど。
このように頭で考えるよりもとりあえず読めや的な事態に往々にしてぼくたちは出会う。上述した通り、哲学的に考えたらすでにつねに存立している問題状況に遭遇して、先人とおなじ思想あるいは似た思想に行き着くとは考えにくく、おなじことを考えたいなら、早いとこ本読めよというのはわりあい真剣に受けとるべきなんだろう。かりに哲学にとって必要不可欠な出来事があって、それが問題であり、2500年間つねづね発見されて試行錯誤されてきたんだなんて言おうものなら、それは歴史修正主義者のざれ言に過ぎない。哲学史をひもといてみれば、中心的な問題が移り変わることはおろか、そもそも哲学の占める社会的な位置や、方法論は変わっている。唯一変わってないと言えるのは、少なくともみんなみんなだれかの本を読んできたということくらいだろう。だから、すくなくとも最初にすべきことは本を読むことであって、たのしくかって気ままにおしゃべりすることじゃないはずだ。それでも、ニーチェ読むくらいならメタギアやるけど。

【追記】
・哲学をやるのに重要なことはR. Rortyの“Linguistic Turn”にすべて詰まっている(ような気がする。ローティに共鳴する必要はないけど)